【秋の日本酒】「ひやおろし」「秋あがり」とは?違いや特徴、おすすめの銘柄を紹介します
「ひやおろし」や「秋あがり」って呼ばれるお酒はご存じですか?
”秋が旬の日本酒”と言われるオススメの季節酒です。
この時期になると、そのお酒を求めて多くの方が当店にいらっしゃいます。本当にありがとうございます。
そんな中でこのような質問も多くなってきました。
「ひやおろしの意味って何?」
「秋あがりとひやおろしの違いは?」
「どの銘柄がおすすめなの?」
などなど。
「なんとなくは分かるけど詳細はあんまり知らないや」という方って結構多いんじゃないでしょうか?
ということで今回は、ひやおろし・秋あがりについて解説していきましょう!
みなさまの疑問を解消できるよう、できる限り分かりやすくお伝えしていきます。
「ひやおろし」「秋あがり」ってどういう意味?
「ひやおろし」は、春先に搾った酒を秋まで貯蔵して出荷するお酒のことです。
また、ひやおろしのことを「秋あがり」と呼ぶことも少なくありません。
これらは春に一度だけ火入れ(加熱殺菌)を行い、夏の間に熟成させてから出荷されます。
多くの日本酒は貯蔵前と出荷前の2回にわたって火入れされるのですが、ひやおろしは1回のみです。
通常、火入れを行ったお酒は口当たりがなめらかになり、香りも落ち着きます。
ですが、ひやおろしはあえて2度目の火入れを行わないため、生の味の良さも楽しめるのです。
ちなみに貯蔵前に火入れを行い、それ以降の火入れはしないお酒のことを「生詰め酒」と言います。
知っておきたい「秋あがり」について
先ほどは、ひやおろしも秋あがりも同じ意味として呼ばれるといいましたが、厳密にはちょっとだけ違いがあります。
「秋あがり」は、お酒の種類ではなくお酒の状態を指す言葉です。
ひやおろしは火入れを1度行ってから貯蔵したお酒(種類)ですが、秋あがりは春に搾ったお酒が夏を越えて秋になり、旨味がアップした状態のことを指します。
また、秋になっても熟成がうまくいかずに美味しくならなかったお酒は「秋落ち」と言います。
難しい!と思うかもしれませんが、ほぼ同義語として使っても問題ありません。
同じだけど複雑すぎるので、秋に出荷される日本酒を総じて「秋酒」と呼ぶこともあります。
ここからはややこしくなってしまうので、すべて「ひやおろし」として説明していきます。
「ひやおろし」の語源は「冷や卸し」
ひやおろしを漢字で表すならば「冷や卸し」。
夏の間は冷蔵庫で寝かせて熟成させ、秋になり外の気温と冷蔵庫の温度が同じくらいになるころに出荷(卸し)。
日本酒の常温のことを「冷や」と言い、その状態で卸すことがひやおろしの語源といわれています。
ただ最近は、技術が進化して酒蔵の設備投資もすすんでいることから、ひやおろしの規定が曖昧になってきています。
「ひやおろし」の味や香りの特徴
ひやおろしは、熟成させたことで香り・味わいはより深まり、旨味が向上した濃厚なおいしさを感じることができます。
日本酒の苦味や雑味などが、夏の間にゆっくりと消えていっているので飲みやすさもアップ。
ふだん飲んでいるお酒とはまた違う楽しませ方をしてくれます。
また、同じ「ひやおろし」でも出荷される月によって少々違いが出てきますので、それについても説明いたします。
同じ「ひやおろし」でも味わいに違いがある!
ひやおろしが出回るのは一般的に9月~11月ごろ。
熟成されているお酒なので、出荷される時期が1カ月違うだけでも味わいに変化が訪れます。
たとえば9月出荷のひやおろしは、穏やかな味わいと比較的に飲みやすいことが特徴。
反対に11月に出荷されるひやおろしは、9月のものよりも熟成度合いが進んでいるため、しっかりした旨味が前面に出てきます。
おなじ「ひやおろし」でもこんなに違うのか!という驚きと楽しさを知っていれば、さらに日本酒が好きになりますね♬
ちなみに出荷される月によって
- 9月は「夏越し酒 (なごしざけ)」
- 10月は「秋出し一番酒」
- 11月は「晩秋旨酒」
と、それぞれの呼ばれ方があったりもします。
秋の食材と一緒に楽しみたい「ひやおろし」
日本には、”秋の味覚” と呼ばれるような食材があるように、日本酒にもあります!
もちろんそれは「ひやおろし」。
秋が旬の食べ物と、ひやおろしは驚くほどマッチします。
サンマ・きのこ・鍋・戻り鰹など・・・。
ご自身の好きな食材と一緒に楽しんでください!
私はサンマや戻り鰹のような魚系の料理とひやおろしをコラボさせるのが好きです。
「ひやおろし」の飲み方・保管方法について
“ひや” と名前がついているので冷酒で飲んだほうがいいのかな?と思われがち・・・。
もちろん冷酒でも楽しめるのですが、「ひやおろし」は常温や燗酒にしても美味しい最強のお酒なのです。
そんな「ひやおろし」のおすすめの飲み方や保管方法について紹介していきましょう!
ほかの酒との違いを楽しむなら冷酒か常温
「ひやおろし」は熟成されいるので他の日本酒とは違います。
その違いを楽しむのであれば、冷酒か常温がおすすめ。
個人的には常温が一番ひやおろしらしさを楽しめると感じています。
また、氷が入ったグラスに注いで飲む「オン・ザ・ロック」もおいしいですよ!
広がる香りを楽しみたいなら燗酒
「ひやおろし」の円熟した旨味や豊かな香りを楽しみたいならやはり燗酒。
- 40~45℃あたりのぬる燗
- 50~55℃あたりの熱燗
くらいがGOOD。
肌寒くなる季節でもあるので燗酒はピッタリですね!
「ひやおろし」の保管方法について
「ひやおろし」は貯蔵前の1回しか火入れしていないため、一般的なお酒よりも劣化がしやすくなります。
そのため、しっかりと保管をすることが大事。
基本的には、低温で日が当たらない場所で保管してください。
とくに冷蔵庫などがおすすめです。
▼こちらの記事で、開封前や後の日本酒の保管方法について触れていますのでご参考をば。
おすすめの「ひやおろし」の銘柄は?
ここまで「ひやおろし」の意味や特徴などを取り上げてきました。
さいごに、おすすめの銘柄についてご紹介します!
司牡丹 純米超辛口 船中八策 ひやおろし
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司牡丹 純米超辛口 船中八策 ひやおろし 720mL
選ばれた酒しか入れない日本名門酒会という会にも入っている、大人気銘柄「船中八策」。
キリリと光る淡麗辛口なひやおろしを味わいたいならこの一本。
冷酒で楽しみたい方におすすめです。
▼ 商品詳細
アルコール度数 | 18% |
---|---|
原料米 | 米(国産)・米麹(国産米) |
精米歩合 | 60% |
日本酒度 | +8 |
酸度 | 1.7 |
▼ オススメの飲み方
ロック | ○ |
---|---|
冷し | ◎ |
常温 | ○ |
ぬる燗 | ○ |
熱燗 |
桂月 秋の生詰 ひやおろし 超辛口 特別純米酒
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桂月 秋の生詰 ひやおろし 超辛口 特別純米酒 720mL
一般的なひやおろしは、貯蔵する前に割り水(度数を薄める)をして火入れして貯蔵します。
しかし、この桂月のひやおろしは原酒をそのまま貯蔵し、瓶詰めするときに割り水をしています。
ほかの酒蔵さんとは違う製法にすることで、より生酒としてのひやおろしを楽しめる一本を完成させました。
▼ 商品詳細
アルコール度数 | 15% |
---|---|
原料米 | 米(国産)・米麹(国産米) |
精米歩合 | 60% |
日本酒度 | +11 |
酸度 | – |
▼ オススメの飲み方
ロック | ○ |
---|---|
冷し | ◎ |
常温 | |
ぬる燗 | |
熱燗 |
久礼 ひやおろし 辛口純米酒
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久礼 ひやおろし 辛口純米酒 720mL
冷蔵庫ではなく、温度が一定の洞窟に貯蔵している酒蔵の「ひやおろし」。
晩酌としても、食中酒としても楽しめる一本。
久礼のなかで最も人気がある辛口純米がおすすめです。
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▼ 商品詳細
アルコール度数 | 16% |
---|---|
原料米 | 米(国産)・米麹(国産米) |
精米歩合 | 60% |
日本酒度 | +10 |
酸度 | – |
▼ オススメの飲み方
ロック | |
---|---|
冷し | ◎ |
常温 | ◎ |
ぬる燗 | ◎ |
熱燗 |
まとめ
秋が旬の日本酒「ひやおろし」について理解は深まりましたでしょうか?
冷酒で飲んでも良し、燗酒で香りを楽しんでも良し。
どちらにせよ今しか味わえない香りや味わいなので、時期が過ぎてしまう前にぜひお楽しみください。
▼また、「ひやおろしの人気銘柄を知りたい!」という方がいらっしゃいましたら、こちらの記事をご覧ください。
近藤酒店では地酒のひやおろしを各種取り扱いしております!
淡麗辛口のお酒をお探しならばぜひご覧ください。