「ジンとウォッカ」は何が違う?共通点や味・香りの特徴などを酒屋が徹底解説します!
お酒に詳しくない方でも知っていると思われる「ジン」と「ウォッカ」。
某名探偵のアニメでもその名前が登場しますね。
カクテルのベースとしてもよく使われる2つのお酒ですが、「違うけどなんか似たようなもの」として認識していませんか?
パッと見た感じ似ているように思ってしまいがちなお酒なので、今回はジンとウォッカの違いやカクテルについて取り上げていきます!
- ジンとウォッカを含む4大スピリッツ
- ジンとウォッカの共通点
- ジンとウォッカの違い
- 有名なカクテルについて
などについてご紹介していきます。
ジンとウォッカの違いについて
ジンとウォッカの違いを知るためには、味や香りと製造方法について理解する必要があります。
それぞれの差をみていきましょう。
味や香りの違い
ジンとウォッカの味の違いは
- ジン : 薬草系の独特な風味
- ウォッカ : 独特な風味はなく、スッキリ (無味無臭)
といったように表現できます。
ジンは口に含んだ時に少々の苦みやハーブのような華やかな感じられるお酒です。
ウォッカはジンのような独特の風味はなく比較的スッキリとした味わいになっており、飲むと喉が熱くなるような感覚があります。
どちらも世界中で人気のスピリッツで、様々な銘柄があるので楽しさが広がりますね!
製造方法の違い
つぎに製造方法の違いについて見ていきましょう。
- ジン : 蒸留時、ネズの実やその他ボタニカルの成分が加えられる
- ウォッカ : ろ過する際に白樺の炭が用いられる
ジンではボタニカル成分が使用されており、これがハーブ香や苦味といった独特なテイストを生み出しています。
一方ウォッカではろ過する際に炭が使用されるため、不純物や余計な匂いなどが取り除かれるんです。
そのためウォッカは無味無臭になるんですね。
ジンとウォッカの共通点は?
ジンとウォッカの違いについて触れたところで、つぎにジンとウォッカの共通する部分をみていきましょう。
原料が似ている
よほど好きでないと調べたりはしないので分かりにくいですが、ジンもウォッカも原料がほぼ一緒なんです!
- ジン : 大麦、ライ麦、じゃがいも、とうもろこし
- ウォッカ : 大麦、ライ麦、じゃがいも、小麦
どちらも大麦とライ麦は使われているのが共通点ですね。
ここまでは一緒でも、先ほど触れた製造方法で違いが出てくるのがお酒の面白いところでもあります。
見た目が似ている
やはり何と言っても見た目が一緒なのは誰もが思うことですよね。
ジンもウォッカも無色透明のため見た目だけでどちらのお酒かということを判断するのは至難の技です。
ですが例外もありまして、「エンプレス 1908 ジン」は青いので見分けがついちゃったりします。
ここ最近は見た目にもこだわった製品が出てきているので目が離せません…!
度数が似ている
さいごはアルコール度数がどちらも同じくらいの高さを持っていることです。
スピリッツ(蒸留酒)は基本的に度数が高いのですが、ジンとウォッカの度数は40度程度になります。
ジンでは高いもので57度、ウォッカはなんと96度のものまでありますが、基本的にはどちらとも似たような度数になっています。
もちろん銘柄によっては低めのものもあったりするので、カクテルを作る際などにぜひ参考にしてみてくださいね。
ちなみに個人的な話を言えば、ジンで一番好きなのは「タンカレー No10」です。
クセも少なく上質な味わいなのでかなりオススメ。飲み比べるとその違いが分かりやすくなると思います。
ジンとウォッカは4大スピリッツの1つ
お酒は大雑把に言えばリキュールやワイン、といったように分けることができるのですが、ジンとウォッカはスピリッツとして分類されます。
そして数あるスピリッツの中でも「4大スピリッツ」として世界中で認知されているんです。
4大スピリッツは
- ジン
- ウォッカ
- テキーラ
- ラム
といったお酒で構成されていて、どの名前も一度は耳にしたことがある名前ではないでしょうか?
これらはアルコールの度数が高いという特徴があり、ストレートで飲むほかにカクテルのベースとして使われることが多いです。
当ブログではテキーラについても詳しく取り上げています。
ジン・ウォッカを使った有名なカクテル
それでは最後にジン・ウォッカをベースにしたカクテルをいくつかご紹介していきます。
どれも世界的に有名で人気があるので、気になったものがあれば是非トライしてみてください!
マティーニ [ジン・ウォッカベース]
アルコール度数 | 30〜35%前後 |
材料 | ドライジン : 45mL ドライベルモット : 15mL オリーブ : 1つ |
レシピ | ジン、ドライベルモットを注いでステア。 最後にオリーブを添える。 |
グラス | カクテルグラス ショートグラス |
カクテルの王様とも呼ばれる超有名な「マティーニ」。
アルコール度数は35%と非常に高く、辛口でハーブ香を感じる複雑な味わいが特徴です。
「7年目の浮気 (映画)」でも登場したり、最近では「キングスマン (映画)」でも出てきて一部で話題になりました。
ちなみに「007 (ダブルオーセブン)」のジェームズ・ボンドが、ウォッカで作る「ウォッカマティーニ」をステアせずにシェイクで嗜むシーンも有名ですね。
ギムレット [ジンベース]
アルコール度数 | 29〜35%前後 |
材料 | ドライジン : 45mL ライムジュース : 15mL シロップor砂糖 : 適量 |
レシピ | シェークしてグラスに注ぐ |
グラス | カクテルグラス ショートグラス |
ギムレットはジンベースのカクテルですっきりした辛口の味わいが特徴。
30%くらいのアルコール度数なのでグビグビ飲んじゃうとすぐに酔いが回ります。
またレイモンド・チャンドラーのハードボイルド小説「長いお別れ」の作中に出てくるセリフで、「ギムレットには早すぎる」という別れを偲ぶセリフが非常に有名だったりします。
カクテルに関するストーリをすこし知っておくだけで、酒の席での会話も弾みますよ♪
ソルティドッグ [ウォッカベース]
アルコール度数 | 13〜15%前後 |
材料 | ウォッカ : 45mL グレープフルールジュース : 適量 塩 : 適量 |
レシピ | グラスの縁に塩をつけ、原料を注いでシェーク |
グラス | タンブラー |
グラスの縁に塩をつけて飲むすこし面白いカクテルのソルティドッグ。
グレープフルーツに塩が加わり良いアクセントとなっているので若い女性の方でも気軽に楽しめるのではないでしょうか。
ショートカクテルよりも度数が低いので飲みやすく、人気のあるカクテルとなっています。
モスコミュール [ウォッカベース]
アルコール度数 | 10〜11%前後 |
材料 | ウォッカ : 45mL ライムジュース : 1tsp ジンジャーエール : 適量 カットライム : 1/4個 (スティックきゅうり) |
レシピ | 氷の入ったグラスにライムを搾り、ウォッカ、ライムジュース、ジンジャエールを注ぎ軽くステア。 お好みできゅうりを添える |
グラス | タンブラー |
ジンジャーを加えてつくる爽快な「モスコミュール」。
メジャーなカクテルなので聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。
ジンジャーエールを甘口にするか辛口にするかは飲む方の自由で、その時の気分によって変えながら飲むことができます。
バーのマスターなどに自分の今日の飲みたい味を伝えてみては。
まとめ
ウォッカとジンの違いや共通点、有名なカクテルについて取り上げました。
見た感じ似ているもの同士なので混同されがちですが、それぞれの差を感じながら楽しく飲んでいただけますと幸いです。
4大スピリッツについては今後も色々と発信していくのでよろしくお願いいたします。
よきお酒ライフを送ってくださいね!
※カクテルのアルコール度数は概算のため参考値としてご認識ください。