【高知独特の酒文化】返杯・献杯のやり方やマナーってあるの?高知の酒屋が解説します!
こんにちは。高知の酒屋 近藤酒店です!
高知県の人はお酒が大好きで全国的にもそう感じている方は多いのではないでしょうか?
実際そのとおりで、とくにお酒の席での酒文化は高知特有のものがたくさんあります。
なかでも有名なのは返杯の文化かなと勝手に思ってたり・・・。
わたしも酒屋として色々な返杯を受けてきましたが、詳しく知っている!という人は意外と少ないのかもしれません。
ということで今回は、高知独特の酒文化の「返杯・献杯」について取り上げてまいります!
・返杯、献杯の意味
・返杯するときのやり方やマナー
・ちょっと面白い返杯エピソード
などをご紹介します!
返杯・献杯とはそもそも何?
▼まずはじめに返杯・献杯の意味について簡単に説明します。
- 献杯(けんぱい) : 目上の方への敬意を表す挨拶のようなもの
- 返杯(へんぱい) : 同じコップで互いに一気飲みするもの
この「返杯」という言葉に馴染みがないかもしれませんが、「献杯」という言葉は知っている人が多そうですね。
また、「献杯」は故人に対する敬意を表す際などにも用いられます。
お葬式のときなんかには「献杯」と声がけをしつつ飲みます。乾杯ではないので注意が必要です。
高知県で浸透している返杯・献杯
さきほどは一般的な意味をご紹介しましたが、高知県ではすこし違っています。
結論から申しますと、高知県では献杯も返杯の意味として通すことが比較的多いです。
というのも高知県には飲みたがりが多すぎるので、互いにお酒を飲むことができる「返杯」がメインになるかなと思います。
ちなみに高知県では上司や目上の方にお酌をすることを「献杯」と言います。
お葬式などで故人を想って飲むこともあれば、飲みの場でお酌をして酒を飲む文化も高知県にはあるのです。
※諸説アリ
高知流!「返杯」のやり方
基本的に「返杯」がメインになっているということが分かったので、ここからは実際に返杯を行うにあたってのやり方を説明します!
– 返杯の流れ –
- 相手に「返杯」と言ったあとに自分のグラスを空になるまで飲む
- 空いたグラスを相手に渡し、グラス半分の量のお酒を注ぐ
- 相手は一気に飲み干し、グラスを返す
- 返されたグラスを持ち相手に注いでもらう
といったような感じです。
また「返杯」を行う際に、マナーとまで言いませんがよく行われている動作があるのでご紹介します。
- 注ぐ時、注がれるときは両手で持つ
- 飲んだグラスの飲み口をおしぼりなどで拭く
- 「返杯」と言われた際にお礼を述べる
などがあります。
ですが人それぞれなのスタイルがあるので、それほど気にする必要はありません。
楽しくお酒を飲むことができればOKだと私は考えています。
返杯・献杯で絶対守るべきこと
「返杯・献杯」を行う上で必ず守らなければならないことがあります。
それは、返杯を拒否されたときや、飲めない相手には絶対に行わないことです。
これは返杯に限らずお酒の場で必ず守るべきことですね。
「もう無理、飲めない」と言っている相手に対して無理やり飲ませようとするのは危険なので絶対にやめてください。
お酒が大好きな高知県民ですが、大好きだからこそお酒に対してはマジメです。
こういう背景もあり「返杯・献杯」という文化が生まれたのかもしれませんね。
どういう時に「返杯」するの?
では「返杯」とはどういった時にするのでしょうか?
よく行われる場面は、
・挨拶の代わり
・会話などで気が合った際
・親しくなるためのきっかけ作り
などがあります。
ですがあくまで例として挙げただけで、これが正解というわけではありません。
お酒の席ではマナーを守って楽しく飲むことが大切なのはどこで飲むにしても忘れたくありませんね。
「返杯」するときのお酒は多種多様
おなじグラスを通じて互いに飲み合う返杯ですが、使用するお酒は人によって違います。
たとえば
・日本酒
・焼酎 (水・お茶割りなど)
・瓶ビール
・ウィスキー (水・炭酸割りなど)
などがメインになります。
日本酒ならとっくり、瓶ビールならビールグラス、焼酎やウィスキーならハーフ・ロックグラスなどが主流です。
スピリッツやリキュール類で返杯を行なっているのを見かけたことはあまりありません。
コロナの影響で「献杯・返杯」が禁止に!?
高知県が発表した自粛チラシ
2020年2月7日に高知県は「返杯・献杯」の自粛を促す文書を発表しました。
コロナウィルス感染症の拡大により各地で対策が講じられる中、行政も認めている酒文化に自粛を求められたのは全国でも異質。
なのでネットニュースはもちろん、新聞・地上波ニュースなどにも取り上げられました。
これほどの大事になるくらい高知県では返杯・献杯が行われているのです!
なんというか、高知らしいですね・・・w。
オンライン返杯に切り替える高知県民
青汁返杯 画像提供 : 桟橋市場 カフェ&ダイニング ZERO
光内康浩 さん
コロナの影響により返杯自粛を迫られた高知県。ですがそんなもんじゃ諦めないのが高知県民です。
そこで行われたのがオンライン返杯。
“オンライン” という文字通りインターネット上で行う返杯で、主にFacebookを中心に広がりを見せました。
高知市の整骨院を営む方が発案し、「コロナで免疫力が心配される情勢ですが青汁なら健康にも良い」と思い開始したそうです。
ちなみに青汁は「遠藤青汁」という高知県南国市で製造されているものを使用して、SNSを通じて400人以上が参加しました。
お酒ではないので未成年も参加可能で、地元の大学生たちもみんなで飲んでいたそうですw
また、前高知県知事の尾崎正直氏もオンライン返杯を行ったそうで、盛り上がりは最高潮に達しました。
さすが高知県と言えますね!
ほかにもある高知の酒文化
この記事では「返杯・献杯」をご紹介しましたが、それ以外にも高知独特の酒文化があるんです!
その一つとして「ベク杯」と呼ばれるものがあります。
これは一度酒を注いだら、飲みきるまで置くことができない構造になっている酒器です。
これを使ったお座敷遊びを紹介していますので、気になる方はぜひご覧ください!
https://kondosaketen.net/whats-bekuhai/
まとめ
高知県で行われる伝統の酒文化「返杯・献杯」。
ほかでは見ることのできない光景ですが高知県では当たり前に行われています。
回し飲みが気になる方は厳しいかもしれませんが、高知に訪れた際はぜひチャレンジしてみてください♪