純米酒・吟醸酒・本醸造の違いって何?知っておきたい日本酒の種類について
日本酒って単純に見えて、じつはいろいろな種類があるんです。
純米酒とか吟醸酒とか本醸造酒とか・・・。
お酒を飲まない方でも一度くらい耳にしたことはあるのではないでしょうか?
ということで今回は、
知っているようで、よく知らない。日本酒の種類について取り上げていきましょう!
「日本酒、種類がありすぎてわからないんだけど・・・」
「好きな銘柄がないとき、どのお酒を選んだらいいの?」
「吟醸酒や純米酒とかって何が違うの?」
というような疑問を持っている方は必見です。
この知識を知っておくだけで、日本酒を選ぶときにさらに楽しくなるはずです!
日本酒の種類を覚えるのは難しい?
お店などで「おいしい」と感じる銘柄を見つけたとき、違う店でも同じものを頼みたい。
でもその銘柄が置いていなかったときはガッカリしちゃいますよね・・・。
ですが、もう大丈夫です。
同じ銘柄が無くても、おいしいと感じた日本酒の種類を知っていれば落ち込む心配はありません!
なぜならば、種類が同じお酒は特徴が似ているからです。
そのため、もし好きな銘柄が無くても同じ種類のものを選ぶことで、お気に入りを増やしていくことができます。
そこで、覚えておきたい日本酒の種類は
・純米酒 (じゅんまい)
・吟醸酒 (ぎんじょう)
・本醸造酒 (ほんじょうぞう)
の3つ。
それでは、それぞれの特徴や違いについて解説していきましょう!
純米・吟醸・本醸造の特徴や違いについて
日本酒は大きく分けて3つの種類に分類できます。
それが、純米酒・吟醸酒・本醸造酒です。
このように「○○酒」と呼ばれるものは特定名称酒と呼ばれます。
これらの特徴と違いを覚えるだけで、自分が好きなお酒や好きな味に近い日本酒を見つけやすくなります!
それでは、1つずつ取り上げていきます。
ちなみにラベルなどにこの特定名称がない場合は、すべて「普通酒」に分類されると覚えておくとよいでしょう。
純米酒の特徴について
”純米” と名が付くように、純米酒は純粋にお米だけを原料にしているお酒です。
原料は米・米こうじ・水 のみ。
味わいは米が本来持っている旨味を感じることができ、炊きたてご飯のようなふくよかな香りが特徴です。
お米だけで造られているからこそ楽しめるお酒ですね。
吟醸酒の特徴について
吟醸酒は米・米こうじ・水に加えて、醸造アルコールといものが添加されています。
この醸造アルコールというものは、
・日本酒に香りを生み出す働きがある
・添加した日本酒は、辛口になりやすく飲み口は軽くなりやすい
といった特徴があります。
ここで重要なのが、 ”香りを生み出す働きがある” ということです。
日本酒のレビューなんかに、「フルーティ」「華やかな香り」といった表現をしているときってありますよね。
その要因となるものが醸造アルコールです。
つまり、日本酒の個性となる重要な役割を担っています。
個性的な香りや味わいを楽しみたい方は吟醸酒がオススメですね。
それからこの吟醸酒は「吟醸造り」という製法を用いて造られるのですが、これについては後述します。
本醸造酒の特徴について
本醸造酒は、米・米こうじ・水・醸造アルコールが添加されています。
純米酒に近い香りと風味を持ち合わせ、かつ純米よりも淡麗でまろやかな味わいが特徴です。
でも待って。
「これって吟醸酒と同じじゃね?」と思う方は多いのではないでしょうか?
結論から言うと原料は同じですが、造り方や精米歩合が少しずつ違います。
つぎに、この違いについて取り上げていきましょう!
吟醸酒と本醸造酒の違いとは?
「吟醸も本醸造も原料は同じ。なら何が違うのか?」
それは、
・精米歩合
・吟醸酒の造り方
の2点に違いがあります。
精米歩合では
- 吟醸酒の場合 : 精米歩合が60%以下
- 本醸造酒の場合 : 精米歩合が70%以下
と決められています。
また、もっと細かく言うと大吟醸酒では50%以下、特別本醸造酒は60%以下でないといけません。
次に造り方ですが、吟醸酒の場合は「吟醸造り」という製法が用いられています。
これは、通常よりも低い温度で長時間発酵させる造り方です。
この吟醸造りによって、「フルーティ」「華やか」といわれるような「吟醸香」が生み出されます。
そのため本醸造酒は、吟醸酒と比べて香りは控えめでスッキリと辛口のお酒が多くなります。
純米大吟醸・純米吟醸は何なの?
つぎに純米大吟醸や純米吟醸の違いについて説明します。
”純米” も ”吟醸” もどっちの名前も付いているけど結局なんなの?ということですが、
純米大吟醸酒・純米吟醸酒のどちらも、純米酒と吟醸酒の特徴を合わせた日本酒です。
ただ原料は純米酒と同じで、米・米こうじ・水のみです。
つまり、醸造アルコールを添加していない点が決定的な違いです。
簡単に言えば、『純米酒を吟醸造りにしたものが純米吟醸・純米大吟醸』といえます。
なら純米吟醸と純米大吟醸の差はどこにあるのか?
答えは簡単で、精米歩合の違いです。
- 純米吟醸酒 : 精米歩合が60%以下
- 純米大吟醸酒 : 精米歩合が50%以下
精米歩合が高いから ”大” が付くんですね。
精米歩合ってなに?
たびたび出てくる「精米歩合」というワード。
純米酒や吟醸酒のような特定名称酒を定義するために必要な知識ですので解説します!
精米歩合とは、精米した割合を示す言葉です。
たとえばいつも食べている白いお米。
もともとの玄米を磨いて(削って)、茶色い糠(ぬか)を取り除くことで白いお米に変身します。
このお米を磨く(削る)という行為を「精米」といいます。
また一般的に食されているお米の精米歩合は90%くらいです。
つまり、お米の表層を10%磨いている状態といえます。
そして日本酒を造る際、さらにお米を磨きます。
なぜならば、お米の表層部にはタンパク質・でんぷん・脂質などの栄養素が含まれているからです。
この栄養素が多すぎると、日本酒が雑味を持ちすぎたり香りが立たなかったりする原因につながったり・・・。
そのため、普段食べるお米よりもさらに磨いて精米歩合を高める必要があるのです。
また、精米歩合は日本酒の個性です。
精米する割合が高い(%の数字が小さい)ときと、低い時とでは以下のように違いが出ます。
- 精米歩合が低い日本酒 : 米の旨味・コクが残りやすく重たく感じるお酒
- 精米歩合が高い日本酒 : 淡麗でスッキリ、華やかな香りを持つお酒
精米歩合の高いお米を使用することで、吟醸酒が持つ「フルーティ」「華やかな香り」といわれる吟醸香が生み出しやすくなるんですね。
おすすめの日本酒
ここまで純米酒・吟醸酒・本醸造酒の違いについて取り上げました。
さいごに、それぞれの特徴を最大限に生かしているオススメの日本酒をご紹介します!
文佳人 純米酒
文佳人 純米酒 720mL
¥1,250 (税別)
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純粋に、純米酒を楽しみたいなら文佳人。
文佳人のお酒は飲んだ瞬間に「あ、旨い」と感じられることが特徴です。
口に含めば米の旨味がダイレクトに伝わり、純米酒を楽しむためのお酒と言えます。
また酒らしさはあるものの、重くない口当たりなので非常に飲みやすいのも特徴。
「純米酒のみたい!」という方に、真っ先におすすめしているお酒がこの純米酒です。
▼ 商品詳細
アルコール度数 | 17.5% |
---|---|
原料米 | アケボノ (岡山県)100% |
精米歩合 | 55% |
日本酒度 | +5.0 |
酸度 | 1.6 |
▼ オススメの飲み方
ロック | |
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冷 | ◎ |
常温 | ◎ |
ぬる燗 | ◎ |
熱燗 |
土佐鶴 吟醸酒 アジュール
土佐鶴 海洋深層水仕込み 吟醸「アジュール」720mL
¥1,877 (税別)
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全米日本酒鑑評会にてグランプリを受賞した名誉ある吟醸酒。
「アジュール」=「青」という意味で、その名にふさわしいボトルデザインも特徴です。
やわらかい口当たりを再現しつつ、淡麗辛口な味わいなので吟醸酒を楽しむにはもってこいな一本。
→「土佐鶴 吟醸酒 アジュール」を近藤酒店オンラインストアでみる
▼ 商品詳細
アルコール度数 | 15% |
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原料米 | 山田錦 |
精米歩合 | 55%以下 |
日本酒度 | +5.0 |
酸度 | 1.3 |
▼ オススメの飲み方
ロック | |
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冷 | ◎ |
常温 | ○ |
ぬる燗 | |
熱燗 |
桂月 本醸造
桂月 本醸造 720mL
¥952 (税別)
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まろやかな口当たり、それでいて後口はスッキリしているので本醸造を楽しみたいならこの一本。
飲んだ後、鼻の奥から帰ってくるしたたかな香りも楽しみのひとつ。
ぬる燗・熱燗・常温・冷など、どんな飲み方をしても美味しく味わえる安定したお酒です。
▼ 商品詳細
アルコール度数 | 15度 |
---|---|
原料米 | アキツホ (土佐嶺北地方産) |
精米歩合 | 65% |
日本酒度 | +3 |
酸度 | 1.8 |
▼ オススメの飲み方
ロック | |
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冷 | ◎ |
常温 | ◎ |
ぬる燗 | ◎ |
熱燗 | ◎ |
まとめ
複雑そうに見える日本酒の分類ですが、3つの種類を覚えてしまえばもう何も怖くない。
それぞれの違いを知っていれば、味や香りが違う理由も分かりやすくなるかと。
まだ飲んだことがない種類の日本酒があった方はぜひトライしてみてください!
今後とも近藤酒店は日本酒の魅力を発信していきます!